2012/10/01

電源開発、大間原発建設再開を函館市長に伝達②

 
 
 市長室で行われた工藤寿樹函館市長と電源開発とのやりとりの一部始終が報道関係者に公開された。これは工藤市長の意向である。今日は同じく大間原発無期限凍結を表明する函館市と隣接する高谷北斗市長と中宮七飯町長も同席する予定だったが、電源開発はあくまで目的は函館市への説明と、北斗、七飯の両首長の同席は拒否。
 
 
 
 
 
 
 今日は電源開発の社長が、青森県大間町、佐井村、風間浦村を訪問。
副社長が北海道庁を訪問した。道庁でのやり取りは15分ほどだったのに対して、工藤市長は終始、感情的になることもなく、紳士的で丁寧な対応をする中でも、函館市民を代表して建設無期限凍結を貫き厳しく電源開発側と対峙していた。
 
 市長室には、市役所正面で行われていた建設再開への抗議の声が断続的に聞こえていた。
 
私も直接、やりとりを聞くことができたが
声が小さいため、特に電源開発側の声が聞き取れないところが多かったが、聞取ったメモを紹介します。
 
 
注:工藤市長と電源開発とのやりとりは、あくまで本間勝美のメモですので、一部正確さに欠ける部分があることを予めご承知おき下さい。
 
(電源開発/渡部肇史常務取締役)
最新鋭の安全性、信頼性の高い原発を・・・
安全な原子力発電所になるよう進めていく
 
(工藤寿樹市長)
福島第一原発事故を踏まえれば、新たな原発をつくることはどうゆうことなのか、
大間原発を建設することは理解できない。 
使用済核燃料を処理する体制が完全に整っていない、核燃料サイクルは破たんしている。もう何十年も経つが最終処分地は出来ていない。
最終処分地になる自治体はもう出てこないことは明らかだ。
大間には20年しか保管できないと聞く、先の見通しもない中でつくれば、その廃棄物が
大間に留まることになる。 
函館は30キロ圏、UPZに入る、まだ決定していないが、青森県側では説明を行ったが函館では行われていない、函館でも説明会を開催し住民の意見を聞いた上でなければいけない。
青森側は9万人、函館道南側は37万人。37万人にまったく説明がなく中で、私どもは受け入れるものではない。きちんと説明してほしい。
青森市は80km、弘前、八戸は100Km、私どもは23km、天気のいい日は、大間原発の建設現場が見える。
誠意ある対応をしてもらいたい。
 
(大間原発は)国の設置許可をいただいているということだが、それは福島以前の許可だ、あの事故を受けて、いわゆる原子力村が行ったもので信用はしていない。もう一度、事故を踏まえて(設置許可)をやっていただきたい。
 
 津軽海峡は国際海峡だ、領海は通常は12海里あるが津軽海峡では領海は3海里(約5km)しかない、どんな国の不審船であっても、テロ船であってもゲリラ船であっても自由に通航できる。通航を防ぐことはできない。大間に行こうと思えばあっという間についてしまう。 それは、日本の他の原発とかなり違うもので、日本の安全保障上きわめて問題のある原発だ。外国の不審船についての対応はあるのかどうか、いままで聞いたことがない。
アメリカは9.11を経験し原発もテロの備えが出来たと聞いている。
 
事故の被害に対してどうしようと考えているのか、考えが全くないなかでの建設再開は、どうゆうものかと考えている。
 
私どもの一切の意向を無視して建設を再開することについて
断じて応じるわけにはいかない。
 
本当に安全であれば、どうして本州の下北のようなところに建設するのか、
大間原発でつくられた電気は首都圏で使うと聞いている。大間原発から電気の消費地までは遠い、エネルギーの送電ロスを覚悟してまで、わざわざ遠く離れた場所につくるのか、東京近辺には火力発電所がある。もし(原発が)必要であれば東京にある火力発電所のところに原発をつくればよいのではないか。 
私たちの同意もないということは本当に腹立しいもの
 
最後に昨年の未曾有の3.11の事故によって原発の安全神話は完全に崩壊したと認識している。
福島原発の事故は全く収束していない、実際16万人が避難し函館にも200人が避難している状況である。
函館も昨年の東日本大震災で津波の影響を受けたが、それよりも福島原発事故の影響の方が大きかった。風評被害により昨年、観光はまったくだめだった。そのため、(大間原発建設)再開には住民のみなさんが不安を覚えている。昨年の経験で大間原発があるだけで風評被害にあうと考える人もいる。
 
函館山から見る夜景が大きな観光資源となっているが、あの夜景の中に大間原発、 とてもじゃないがあれが大間原発の灯ですと言えない。
 
函館山から見る夜景の中に大間原発の灯が見えることになることは、信じがたいこと。
水産業でも、向かいに大間原発が見える状況で操業することになる。
先祖代々の、道南すべてが住めない土地になる不安を覚えている。
 
(福島原発事故から)たった1年で安全性を言えるのかどうか。
民主党政権が打ち出した、2030年代に原発ゼロ、新設を認めない中で大間の建設を容認することは、まったく支離滅裂だと申し上げている。
 
福島原発をつくってきた我々の世代が、(福島原発事故後1年半で)いますぐ原発にとりかかることはどうなのか、(原発を容認してきた)我々にも責任があると思っているが、いまの時点で手を出すのはどうかと思う。
大間原発は工事の進捗率は37.6%、大間原発は新設そのものだ。
話しにならない。安全神話の中での許可であり、あの時に許可を出しているからいいんだとはならない。
道南、私たちにとって全く受け入れられるものではない。
30km圏内の同意、住民の理解を得てからが先ではないか
 
いま、函館のみならず、道南全体と言える渡島の11市町が全部、凍結だ。建設はまかり通らないと一致している。函館市だけではない。
怒りさえ感じる状況だ。
私たちが日本で最後まで原子力発電と付き合うことにはならない、住民になる。そのことを申し上げたい。

きわめて遺憾
拙速な建設には反対、今後と無期限凍結を訴えていきたい。
 
(電源開発:渡部肇史常務取締役)
~声が小さくほとんど聞き取れない~
広範なご指摘をいただきました
安全性の問題だとか、国のほうでも新しい
具体化していく
大間の建設の中にとりこんでいく
安全な発電所
規制委員会の判断・・・・・
最後の最後に規制委員会の判断を仰ぐ 
・・・・・・
保安員が出した30項目を
基準基準を設けてあらためて加えていく
福島後の安全基準を反映してまいりたいと思っている
もう1、2点
使用済み燃料・・・・

直接処分の議論も出ている

政策の議論にゆだねざるを得ない状況

 
 
原発の必要性として、エネルギーを化石燃料などだけで賄うのはむずかしい
一定量の原発が必要だ
その中で大間が・・・
新しい最新鋭の技術でつくるもの
 
 
 
(工藤寿樹市長)
すくなくとも先の見通しがない中で新しい原発を建設するのはどうなのか、しかも危険な大間原発は既設のものとは違う。原発の特殊性を考えなければならない、原子力エネルギーが一定程度必要だとしても、化石燃料・・・福島原発事故から1年半、その教訓も踏まえなければならない。
民主党政権は2030年代にゼロを目指しているが、(大間原発の工事再開は)まったく整合性がとれない。政府がゼロを目指すと決めているので、そこは違うのではないか、ゼロを目指す・・・

 
新しい電力の開発と電力受給を見ながら、人口も減少している、次の世代が決めていく問題
福島原発の事故を起こしたいま、我々が進めることにはならない。
受け入れがたい
 
無期限凍結を求めてまいりたい

電源開発さんに私たちだけでなく道南として対応していきたい

 


                                           2012・10.1 本間勝美

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