2012/10/15

函館からも見える、尻屋でがれき処理がはじまる

2012年10月15日函館市役所から撮影


 函館市役所8階から撮影した津軽海峡です。函館市街地から見える下北半島は左から東通村、むつ市、風間浦村、大間町、佐井村と続きます。むつ市の部分は高い位置からでないと水平線に沈んで見えません。

 五稜郭タワーからははっきりと東通村からむつ市に伸びるラインを見ることができます。

上の写真の「東通村」の部分に高桑山があります。低い位置からみると島のように見えます。


薄っすらと高桑山が島のように浮かぶ、山頂には数十基の風車が並ぶ(2012年10月15日)


 津軽海峡に面する、東通村尻屋にある三菱マテリアル青森工場は10日から岩手県野田村の震災がれきを本格的に搬入しました。

 毎日新聞によると、年度末までに、野田村から2500トンのがれきを搬入し、焼却処理するという。

 「この日は、木くずや紙くずなどの可燃性廃棄物約10トンを、トラック2台で工場に搬入。県や村職員、周辺の村民約10人が立ち会い、車両やがれきの放射線量を測定。結果は毎時0.02~0.03マイクロシーベルトで受け入れに問題がないことを確認」したという。

 「がれきはさらに粉砕して焼成炉の燃料に使うほか、燃えかすをセメント原料に再利用、焼成炉からの排ガスやセメントに含まれる放射能物質の濃度を月1回、敷地内4か所の放射能量を週1回、測定し安全性を確認する。」としています。

1日には大間原発の建設が再開され、10日には尻屋の三菱マテリアル青森工場で震災がれきの本格搬入、

 この写真に写る海岸線(むつ市)では、使用済核燃料の中間貯蔵施設の建設もすすみ、現在進捗率は70%を超え、来年10月に完成し、完成後はこの津軽海峡の太平洋側、日本海側から使用済核燃料を積んだ船舶が往来することになります。



東通村役場庁舎(2012年5月20日撮影)


 ところで、東通村は東北電力東通原発1号機の再稼働と、東京電力東通原発1号機の工事再開を町長、議会とも言っているばかりか、自分たちの原発から出たものは自分たちのところで最期まで責任をとると、使用済核燃料など放射性廃棄物の最終処分場をわが村へと訴えています。

 東通村は南北に長く、集落が点在し村の中心と呼べるところがありませんでした。そのため長年、村の役場はむつ市の中心部にありました。(旧椴法華村の役場が函館駅前にあるような感じです)

 しかし、原発ができ多額の原発交付金が入り、東北電力が2か所、東京電力が2か所の計4か所の原発が並ぶことになり、それを見越して村は、人工的な中心を造成させ、役場、消防署、小学校や中学校、幼稚園、老人保健施設、診療所、公園などを矢継ぎ早に建設。
すべては4基の原発が並ぶことが前提ですので、借金をして建設したのです。

4基できなければ、もう最終処分場でもがれきでも、なんでもござれの東通村です。

 だから日本原燃の社長が最近、東通には4基すべてつくれと豪語できるのです。

 
 しかし、「青森県を最終処分地にするな」と政府に強く申し入れをしている三村青森県知事も東通村の「最終処分場」宣言には困り果てているようです。

 私たち函館市民は、大間原発建設中止(無期限凍結)を求めながら、なぜこんなに下北は核を受け入れるのか?その背景も学ぶ必要があるのではないかと考えます。


2012.10.15 本間勝美 


 




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