古地図をもとに函館のまちの骨格を解説する西村教授 |
本日午後、函館市主催の第22回まちづくり講座に参加してきました。
函館市美しいまちづくり検討会の座長とアドバイザーを務める3氏が講演を行いました。
東京大学副学長、先端科学技術研究センター教授の西村幸夫氏が「都市の景観とまちづくり~港町の風景とまちづくり」
著書「デフレの正体」で有名な株式会社日本総合研究所調査部主席研究員の藻谷浩介氏が「函館の街並みを考える」
公立はこだて未来大学システム情報科学部教授の木村健一氏が「美しいまちづくりとは?」~函館DNAが宿る都市空間の創出に向けて~と題して講演を行いました。
西村幸夫氏は、函館と同じ開港都市である、横浜市、神戸市、新潟市と青森市の過去と現在の地図を比較してそのまちの基礎となる骨格を紹介しました。
函館の基坂は上に道庁(支庁)下に税関があったが、この基坂にあたるのが
横浜は日本大通りにあたり、神戸、新潟にもあるがすべて1本だけ、函館の場合は基坂のほか港から函館山に直線に伸びる坂がいくつもある、このような港町は函館だけと紹介しました。
西村氏は、まちの骨格を大事にする、まちの中に描かれた物語を取り出すことが大切と話しました。
鋭く函館のまちづくりを指摘した藻谷氏 |
藻谷氏は、魅力ある市の調査で札幌や函館が1位、2位になったことについて、明らかに過大評価といいます。あくまでイメージに過ぎないと。
夜景や異国情緒あふれる函館市の観光ポスターを紹介しながら、これが函館だと思ってくるが、現実の函館はどうなのかと、
スクリーンには、函館の景観を映し出しました。
そして、函館市は方向性として釧路市に向かっていると指摘し
大型小売店がすべて撤退しシャッター街化した釧路市の中心市街地を映し出しました。
15年前の釧路はいまの函館、この方向に転がり落ちると確信していると。
ピンポイント的には、非常に美しい景観がある函館だがと、
スクリーンには大門地区の空地、駐車場が映し出されました。
藻谷氏は、函館のまちづくりは間違っている「環状線(産業道路)の郊外は開発しなければよかった。まちがどんどん拡大している。人口が減少しているのに中心街の空地を放置して郊外へと、道路をつくると除雪費用もかかる」と、
イメージだけで実態は廃墟のまちではダメだと、終始、歯に衣着せぬ発言をしていました。
函館は観光客が1日平均1万人以上歩いているまち、人口1割増の効果があり、お金を落としてくれる。これは釧路でも札幌でもない函館の特徴。函館は恵まれていると指摘し、今後、学校や病院を中心市街地に戻すこと、景観のガイドラインやある程度、個人の主権を制限させることも必要と説きました。
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