大間原発は大間フェリーターミナルからほど近く、大間で最大規模の巨大な建築物なため、ひと際目立つ。
東日本大震災と東京電力福島第一原発の事故後、工事は進捗率38%で止まっていますが、最近、工事再開に向けた動きが慌ただしい。
大間から西隣りの佐井村方面につながる国道338号を進むと右側に大きく有刺鉄線に囲まれた土地が出現する。
大間原発の敷地だ。
うっかりすると見逃してしまうような小さな看板がある。看板には「私有地への連絡通路入口 電源開発株式会社」と書かれ
ている。
私有地は、すなわち億の金を積まれても、この土地で自然のなかでの暮らしを望んで土地を結して手放さなかった故 熊谷あさ子さんの所有地だ。
この私有地は周囲が電源開発に買い占められ、入口がない。
そのため電源開発は、熊谷あさ子さんの土地に出入りできるよう連絡通路をつくった。
入口からすぐ左に監視小屋があり、私の訪問時、2人のヘルメットに作業服姿の男性が狭い小屋の中で私たちの動向をうかがっていた。(2人いることは珍しいと、小笠原厚子さんが語っていた)
砂利道を進んでいくと右手に大きな盛り土が現れるが、建設残土で一部が緑色のシートで覆われている。よく晴れた日に函館から双眼鏡を覗きこむと、この緑色のシートが目に飛び込んでくる。
しばらくすると、視界が開け、目の前に海が広がる。大きな漁港に見えるがこの港も原発用につくられた港だ。
「あさこはうす」と名づけられた、ログハウスにつく手前からは目の前に大きな原発建屋が建設される光景と巨大なクレーンが目に飛び込んでくる。
これだけ、原発敷地の奥深くまで立ち入り自由な原発ははたして世界にあるのだろうか?
そして、国は原発敷地内に民有地を抱えながら建設をなぜ許可できたのか。
ことし原子力基本法が改定され、安全保障条項が加えられた、テロを防ぐためだとか。としたら、大間原発ほど未防備な原発はないのではないか。 日本の防衛省自衛隊が仮想的とする中国、北朝鮮をふくめどこの国であろうが自由に往来できる国際海峡である津軽海峡に面し、さらに原発敷地内部まで自由に入ることが出来る大間原発は、わが国の安全保障上、即刻建設中止にしなければならないのではないかと考える。
「あさこはうす」は、熊谷あさ子さんの遺志を継ぎ、娘さんの小笠原厚子さんが整備を進める。
巨大な大間原発にくらべ、「あさこはうす」はとても小さい
電気が通っていないため、屋根にはソーラーパネルと小さな風車が力強く回っていた。
お盆の準備で忙しい中、小笠原厚子さんは私たちの訪問を歓迎してくれ対応をしていただいた。
いま畑では、かぼちゃが植えられていた。「手入れいらずで育つものを植えています」と、
「ここで生活できるようにしたい」んです。
そのためには畑、田んぼ、そして養蜂をしたいと「あさこはうす」の将来像を語ります。
「ここはたくさんの虫たちが見られますよ」と小笠原さんが言うように、
モンシロチョウとモンキチョウ10数羽が舞い、歩くたびにコウロギ、イナゴ、キリギリスが跳ねた。
「子どもたちが楽しめる、教育の場にしたい」
「ここの土地からは縄文土器、黒曜石も出たんですよ」
と語るようにこの「あさこはうす」のある場所は、縄文遺跡でもある。
その「あさこはうす」では、薪が置かれ、長く厳しい冬い向けての準備がされていた。
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